大根おろしの健康効果と保存法

大根おろしの秘密

 

大根おろしは日本の食卓においてはまさに定番中の定番となる存在ですが、そのみずみずしい食感と少しピリッとした辛味の効果で食欲をそそってくれますし、脂っこい肉や魚料理をサッパリと食べる時にも大変役立っています

 

これは食感的なものだけではなく、実際に胃もたれを防止する働きもあるわけで、その理由は大根に含まれている消化酵素にあります。

 

消化酵素でも代表的なのがでんぷんのアミラーゼで、これ以外にも、プロテアーゼ(たんぱく質消化酵素)、リパーゼ(脂質分解酵素)が含まれています。

 

酵素は加熱することでその働きを失ってしまう特性がありますが、大根おろしは生のままで食べるので、酵素の働きを充分生かすことができ、すりおろすことで更に細胞内の成分が効果的になります。

 

さて、大根おろしには独特な辛味があるわけですが、これの正体はイソチオシアネートという物質です。実はこのイソチオシアネートは、アブラナ科の植物である大根、辛子、キャベツなどに含まれる成分となっていて、消化促進、血栓予防、殺菌効果などの効果が知られているところですが、がんになる前の異常化した細胞の増殖を抑制することから、がん予防の効果も期待されているのです。

 

イソチオシアネートは細胞内でグリコシノレートとして含まれているもので、グリコシノレート自体は辛くないのですが、ミロシナーゼという酵素と混ざることで辛味成分に変化します。

 

これが大根おろしのポイントで、大根はすりおろしたり切ったりすると、細胞が破壊され、それでグリコシノレートがミロシナーゼと混ざってイソチオシアネートになるわけです。まさに大根をおろすということに大きな意味があるのです。

 


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